« トップをねらえ2 | メイン | 野獣死すべし(松田優作版) »
2007年01月11日
夜は短し歩けよ乙女(森見登美彦)

夜は短し歩けよ乙女
森見登美彦の真骨頂、「モテたことなんか一回もないのオタク男子が天然ボケの女の子に悪意無く振り回されて勝手に七転八倒」
の構図の現時点でのハイエンド(言い切り)。
これまでの作品、「太陽の塔」、「四畳半神話体系」は男子がのたうち回る様が非モテ的に「くぅ、解る解る!」という感じで、 そこがメインの楽しみだった。
しかし、今回はそれだけではない。
この、何というかヒロインの可愛さよ!
健気で天然ボケでオタク気質で元気で、黒髪で。
もうたまらんね。天然ボケ&黒髪&オタクというのはある種、最強かもしらん。
・天然ボケ=可愛らしさ
・オタク気質=物事を自分の目で見れる
・黒髪=時流に流されない芯の強さ
うーん。ナイス(上記、独断です)。
本作品は彼女の魅力を遺憾なく、またもっとも上手く読者に訴求できていた、と思う。
そしてその恋を彩る様々なガジェットの濃さがまたいい。
「偽電気ブラン(秘密の模造酒)」
「京福電車研究会(京都と福井を結んでいた架空の電鉄を研究するマニア集団)」
「詭弁論部(詭弁を弄する事に賭ける若者集団)」
確実にオタク心、SFマインドを異常に刺激してくるラインナップ。
きっと、絢爛豪華の言葉はこういう時に使うのだ。うん。
これだけの熱くなる要素を全てきっちり絡ませながらもキチンと「泣けるいい話」に仕立て上がっているのは森見氏の文体、 「純文学風にくだらない事をキチンと書く」が威力を発揮しているからだ。 森見さんお得意の 「天然黒髪少女に翻弄されるヘタレ男子の恋愛模様を情緒豊かに見せる」の図式がここに来て益々冴え渡って来た来た来た。
純文学好き、SF好き、オタク少女好きは是非読まれたし。
投稿者 mozi : 2007年01月11日 23:17